「Microclient JR」の版間の差分

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==Voyage Linuxの設定==
 
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Voyage LinuxはDebianベースのROM向けLinuxなのでDebianに慣れている人ならば扱いやすいLinuxです。<br>
 
Voyage LinuxはDebianベースのROM向けLinuxなのでDebianに慣れている人ならば扱いやすいLinuxです。<br>

2009年1月12日 (月) 14:54時点における版

Microclient-jr.jpg

スペック

CPU : SIS 550 SoC 200MHz(Vortex86)
メモリ : 128MB
ROM : AMI BIOS
内蔵HDD : 2.5型 PATA×1(44PIN)およびコンパクト・フラッシュスロット(ブート可)
LAN : 100Mbps Fast Ethernet
インタフェース : USB Type-A ×3,VGA(Dsub 15),キーボード・マウス(分岐ケーブル要),オーディオ
 シリアルポートなど工場出荷時オプションで付けられるものもあり。ただし構成が排他となるものが多数あるため、発注時の仕様には注意。
サイズ: 115x115x35mm 550g(HDD等含まず)
電源: ACアダプタ式 DC5V 3A
価格: 数台ならば$120(オプション無しでNORHTECから購入の場合)。送料$38~

秋葉原のおっとで入手可能になります。http://www.ottonet.co.jp/ec/index.htm

備考:
普通のPCが超小型になったものと考えればよい。起動処理も一般的なPC同様にBIOS経由で行われるだけ。キーボードとディスプレイを接続しておけば、そのままPCとなる。なお、稼動中の筐体温度は高め。ファンレスだが筐体そのものをヒートシンクとしている。

中身が見たい人はこちら→ Microclient JRの中身

注意!

現在流通しているMicroclient JRは出荷時から内部ジャンパが設定されており、CFスロットがプライマリ・マスタになっているようです。このため下記の通りで設定すると起動しませんので、hdbの箇所をhdaと読み替えてください。

  • デバイス名

プライマリ・マスタ-> /dev/hda
プライマリ・スレーブ -> /dev/hdb
パーティション名は変わりませんから、hdb1ならhda1と読み替えます。

特徴

x86系のThin Clientの一種。CDジャケットよりも小さなフットプリントで超コンパクトながら一通りの機能を備えるPC。VESAマウントアームと同じピッチの穴が筐体に空いており、液晶ディスプレイの裏面に固定することも可能。
なお前面のCFスロットはIDEのプライマリ・スレーブになっているのでブートする際には注意。内部のジャンパを設定することで、マスタに変更も可能だがケースが開けにくい。

稼動実績

  • Voyage Linux (Debianベース)
  • AstLinux (586)
  • Askozia(generic-pc)

Voyage Linuxの設定

Voyage LinuxはDebianベースのROM向けLinuxなのでDebianに慣れている人ならば扱いやすいLinuxです。
0.3からはブートローダにgrubが選択できるのですが、grub.confがないので自動で起動しないという変なインストールになっています(それとも元から自分で書く仕様?)。
で、これを逆手に取ってMicroclient JRのCFスロットからブートできるメディアを作成することができます。まず、普通にインストールしてCFを作成した後、一旦どこかにマウントしboot/grub/grub.confを以下のような内容で作成します。

default=0
timeout=5

title Voyage Linux (Boot from IDE CF, Primary slave)
        root (hd0,0)
        kernel /vmlinuz root=/dev/hdb1 ide=nodma
        initrd /initrd.img

これでCFスロットから自動起動します。
結構色んなものがatpで持ってこれてしまうので、お試しあれ。Asteriskは1.0系でしたけど・・・。なお、apt-getとかをする前に remountrw コマンドを実行しておかないとルートがroマウントされているので失敗します。

Asteriskを動作させるには

Voyage Linux+AsteriskでMicroclient JRをAsteriskサーバとして仕立てられるようになりました。

AstLinuxを動作させるには

内部ジャンパの変更なしでもAstLinuxを動作させることができます。ただし、作成したCFをマウントして編集できる環境(要はLinux機にカードリーダが繋がってればよい)が必要です。
まずイメージ(586)をCFに書き込み、ブート用CFを作成します。次にそのCFをマウントしboot/grub/grub.confを以下の例にならって編集します。

title AstLinux (Boot from IDE CF, Use third partition for KeyDisk)
        root (hd0,0)
        kernel /boot/bzImage root=/dev/hdb1 astlinux=i586 astkd=/dev/hdb3 ide=nodma
        savedefault

要はhdaになっている部分をhdbに変更します。
さらにetc/fstabも以下のように修正します。

/dev/hdb1 /             ext2    ro              0       0
proc    /proc           proc    defaults        0       0
none    /dev            tmpfs   size=200k       0       0
none    /tmp            tmpfs   size=10000k     0       0
none    /var            tmpfs   size=5000k      0       0
none    /proc/bus/usb   usbfs   defaults        0       0

/dev/hdb3 /mnt/kd ext2 noauto,noatime 0 0

こちらもhdaをhdbに変更します。変更したならば保存・アンマウントしてMicroClient JRに挿してブートすれば起動するはずです。

AstLinux日本語版

このMicroclient JRで動作するAstLinuxの日本語版を公開しています。

注意:入手ルートによってはCFスロットがプライマリ・マスタのものがあるようですので起動オプションに注意してください。

電源管理の注意

デフォルトではパワースイッチ(前面の)の設定はON/OFFになっており、押すといきなり電源が切れます。これではまずいので、BIOSで"ACPI Awre O/S"をYesに設定しておきます。そうするとパワースイッチを押すとシャットダウンが実行されてから電源が切れます(AstLinuxの場合)。パワースイッチをSuspend設定にしても電源が切れて、キーボードからパワーオンするとかその程度のことしかできないようなので、あまり意味はないかもしれません。電源ボタンが押しやすいのがちょっと問題ですが。
なお、ACパワーロスに関しては"Last state"設定ができるので停電対策は問題なく行えます。

SDメモリカード

アダプタがそこそこの値段がするのですが、SD-CFアダプタでも使用可能なことを確認しました。
パナソニック BN-CSDABP3/P

Filesystem             Size   Used  Avail Use% Mounted on
rootfs                 260M    73M   188M  28% /
/dev/root              260M    73M   188M  28% /
none                   205k      0   205k   0% /dev
none                   5.2M   119k   5.1M   3% /var
none                    11M   189k    11M   2% /tmp
/dev/hdb3              1.8G   5.1M   1.7G   1% /mnt/kd

2GBまでのSDに対応(SDHCは非対応)するので、安価なSDメモリカードでシステムを構築できます。OSを色々切り替える人には良いかも。