「Asterisk」の版間の差分

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(Asteriskの入手とインストール)
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==Asterisk: Open Source Communication Framework==  
 
==Asterisk: Open Source Communication Framework==  
 
AsteriskはオープンソースのPBXでDigiumのMark Spencerによって始められました。(主に)Linuxプラットフォーム上で動作します。<br>
 
AsteriskはオープンソースのPBXでDigiumのMark Spencerによって始められました。(主に)Linuxプラットフォーム上で動作します。<br>
日本でAsteriskが広く知られるようになったのは2005年頃からです。OSSとしては比較的、若いソフトウェアですが様々な可能性を秘めた優れたソフトウェアのひとつです。<br>
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PBXというと会社内の電話やビジネスホン等を思い浮かべるのですが、Asteriskが使用されるのは、いわゆる電話の分野だけではありません。通話を繋いだり切ったり(呼制御)、通話を必要とするサービスは旧来の電話だけで使われるわけではありません。様々な音声サービスに使用できるのがAsteriskです。このため電話交換機からインターネット上の音声サービスまで様々に使用されているのがAsteriskです。<br>
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日本でAsteriskが広く知られるようになったのは2005年頃からです。<br>
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===対応するプロトコル===
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*IP系
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:SIP
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:H.323
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:UNISTIM
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:IAX(Inter Asterisk eXchange)
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:MGCP
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:Skinny(Cisco)
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*レガシー系
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:BRI/PRI(ISDNボード必要)
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:アナログ(アナログボード必要)
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:ゲートウェイを使用することでSIP-アナログ、SIP-ISDNも、もちろん接続できます
 
===[[導入事例]]===
 
===[[導入事例]]===
 
[[導入事例]]のページにサマリーをまとめてあります。
 
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==バージョン名==
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==バージョン==
Asteriskのバージョン名は1.8までは1.xの形式をとっていましたが、10以降は10,11,12となります。また、今後のバージョンにおいて『奇数番号』(11,13...)は長期サポート(LTS)、『偶数番号』は標準サポート(Standard)となります。
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Asterisk 1.8まで
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:偶数番号(1.0,1.2,1.4,1.6,1.8)がリリースバージョン
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:奇数番号は開発バージョンで一般には公開されない
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Asterisk 10以降
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:11,13,16,18
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::LTS(Long Term Support:長期サポートバージョン)
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:10,12,14,15,17
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::STD(Standard:標準サポートバージョン)
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==Asteriskの入手とインストール==
 
==Asteriskの入手とインストール==
 
Asteriskは http://www.asterisk.org から入手することができます。ソースの配布はftp/httpダウンロードの他、Subversionでも行われています。Subversionでの入手方法は[[Asterisk Subversion]]のページを参照してください。<br>
 
Asteriskは http://www.asterisk.org から入手することができます。ソースの配布はftp/httpダウンロードの他、Subversionでも行われています。Subversionでの入手方法は[[Asterisk Subversion]]のページを参照してください。<br>
 
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Asteriskのインストールにあたっては以下のパッケージのインストールも推奨されます。<br>
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===どのバージョンをインストールすれば?===
*[[Zaptel]]<br>
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現在(2021年4月)時点で安定していると思われるのはAsterisk 16です。<br>
*[[DAHDI]]<br>
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しかしながらEOLまでの時間があまりないのでAsterisk 18を検討してください。<br>
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===オプションのパッケージ===
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*[[DAHDI]](旧Zaptel)<br>
 
:Asterisk 1.4.20以降およびAsterisk 1.6からはZaptelにかわり[[DAHDI]]が使用されます。<br>
 
:Asterisk 1.4.20以降およびAsterisk 1.6からはZaptelにかわり[[DAHDI]]が使用されます。<br>
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:アナログ、BRI/PRIのボードを使用しない場合には不要です。
 
*libpri<br>
 
*libpri<br>
 
:PRIを使用しなければ必要ありません。<br>
 
:PRIを使用しなければ必要ありません。<br>
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:[[Asterisk サンプル設定ファイル]]を使ってみてください。<br>  
 
:[[Asterisk サンプル設定ファイル]]を使ってみてください。<br>  
 
:[[extension道場]]も参考になります。<br>
 
:[[extension道場]]も参考になります。<br>
 
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===各バージョンの情報===
[[Asterisk 旧バージョン]]
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*旧バージョンの情報
 
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:[[Asterisk 旧バージョン]]
===Asterisk 13===
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*Asterisk 13
:[[Asterisk 13]] (EOLは2019年)
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:[[Asterisk 13]] (EOLは2019年→2021/10/24に延長[https://wiki.asterisk.org/wiki/display/AST/Asterisk+Versions])
===Asterisk 14===
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*Asterisk 14
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:STDリリースのため使用は推奨しません。<br>
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*Asterisk 15
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:2017年リリース(Standard)
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:STDリリースのため使用は推奨しません。<br>
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*Asterisk 16
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:2018年10月リリース。LTS。(Security Onlyは2022/10、EOLは2023/10)
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*Asterisk 17
 
:STDリリースのため使用は推奨しません。<br>
 
:STDリリースのため使用は推奨しません。<br>
 
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*Asterisk 18
===Asterisk 15===
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:2020年10月リリース。LTS。(Security Onlyは2024/10、EOLは2025/10)
:2017年リリース予定
 
  
 
===DAHDIへの移行===
 
===DAHDIへの移行===
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*'''[[Asterisk SIP セキュリティ]]'''
 
*'''[[Asterisk SIP セキュリティ]]'''
 
*'''[[SIP-Fail2ban]]'''
 
*'''[[SIP-Fail2ban]]'''
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*[[Asteriskが使用するポート一覧]]
  
 
===参考になるページ===
 
===参考になるページ===
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==Asteriskの動作する環境==
 
==Asteriskの動作する環境==
IA系のマシンでLinuxをOSとして使用します。多くのLinuxディストリビューションで動作しています。ただしLinux 2.4カーネルを使用する場合には、ZatelがUSB-UHCIを必要とするため注意が必要です。Linux 2.6カーネル系では特に大きな問題はありません。
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IA系のマシンでLinuxをOSとして使用します。多くのLinuxディストリビューションで動作しています。ただしLinux 2.4カーネルを使用する場合には、ZatelがUSB-UHCIを必要とするため注意が必要です。Linux 2.6カーネル以降ならば問題はありません。
 
===OS===
 
===OS===
 
[[Asterisk動作確認済みOS]]
 
[[Asterisk動作確認済みOS]]
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*[[Bluetooth接続(chan_mobile)]]
 
*[[Bluetooth接続(chan_mobile)]]
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*chan_dongle
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:USB経由でHuaweiのUSBドングルを接続するチャネルドライバ。音声/SMS(日本語も)/USSDに対応。開発は活発ではないけど使える模様。
  
 
===Skype===
 
===Skype===
 
*[[Skype for Asterisk]]
 
*[[Skype for Asterisk]]
:Digiumのプロダクト
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:Digiumのプロダクト。ディスコン。
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*[https://www.skype.com/ja/features/skype-connect/ Skype Connect]
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:Skype公式のSIP接続サービス。US$6.95/ch/月
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===FAX===
 
===FAX===
 
*[[Fax for Asterisk]]
 
*[[Fax for Asterisk]]
 
:Digiumのプロダクト
 
:Digiumのプロダクト
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*spandsp + res_fax_spandsp
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:Asterisk13以降。なおapp_faxは非推奨
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*IAXModem + Hylafax
  
 
==Asteriskの管理==
 
==Asteriskの管理==
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:[[Asterisk GUI]]<br>
 
:[[Asterisk GUI]]<br>
 
:ADM<br>
 
:ADM<br>
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==外部プログラムとの連携==
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*[[自動発信|コール用ファイル]](call file)
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*AGI: Asterisk Gateway Interface
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*AMI: Asterisk Manager Interface
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*ARI: Asterisk REST Interface
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*ダイヤルプランから
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:Application_Exec, Function_SHELL, Function_FILE
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:Application_ReadFileは非推奨。
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==IP電話関連機器はどこで買えますか?==
 
==IP電話関連機器はどこで買えますか?==
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Asteriskを日本国内に対応させる情報は下記を参照してください。<br>
 
Asteriskを日本国内に対応させる情報は下記を参照してください。<br>
 
===ローカライズ===
 
===ローカライズ===
*[[Asterisk パッチ]]
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*<s>[[Asterisk パッチ]]</s>(現在のバージョンでは必要ありません)
 
*[[Asterisk 日本語音声]]
 
*[[Asterisk 日本語音声]]
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*[[音声合成]]
  
 
===接続および使い方===
 
===接続および使い方===
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*[http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4274066835/takahashitaka-22/ref=nosim Asterisk運用・開発ガイド]<br>
 
*[http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4274066835/takahashitaka-22/ref=nosim Asterisk運用・開発ガイド]<br>
 
:APIなど開発/運用者向けの詳細な記載あり、上級者向け。<br>
 
:APIなど開発/運用者向けの詳細な記載あり、上級者向け。<br>
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*[https://www.amazon.co.jp/dp/B00B0NJ6I8/takahashitaka-22/ref=nosim Ubuntu 12.04 と EC2で作る Asterisk電話サーバ](kindle)
  
 
===洋書===  
 
===洋書===  
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*[http://www.amazon.co.jp/Asterisk-Telephony-Jim-Van-Meggelen/dp/059652692X/takahashitaka-22/ref=nosim Asterisk Cookbook (Cookbook)]<br>
 
*[http://www.amazon.co.jp/Asterisk-Telephony-Jim-Van-Meggelen/dp/059652692X/takahashitaka-22/ref=nosim Asterisk Cookbook (Cookbook)]<br>
 
:発売日:2008/12/30何度か発売が伸びています。日本語版は出るのかは不明です。[http://www.asteriskcookbook.com/wiki/index.php/Main_Page Asterisk Cookbook Wiki]などあるようです。
 
:発売日:2008/12/30何度か発売が伸びています。日本語版は出るのかは不明です。[http://www.asteriskcookbook.com/wiki/index.php/Main_Page Asterisk Cookbook Wiki]などあるようです。
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*[http://www.amazon.co.jp/dp/B00HQ0RA8M/takahashitaka-22/ref=nosim Asterisk: The Definitive Guide 4th edition]
 +
:Asterisk 11に対応。pjprojectの記述はまだありません。
  
 
==問い合わせ先など==
 
==問い合わせ先など==

2022年5月12日 (木) 08:13時点における版

Asterisk: Open Source Communication Framework

AsteriskはオープンソースのPBXでDigiumのMark Spencerによって始められました。(主に)Linuxプラットフォーム上で動作します。
PBXというと会社内の電話やビジネスホン等を思い浮かべるのですが、Asteriskが使用されるのは、いわゆる電話の分野だけではありません。通話を繋いだり切ったり(呼制御)、通話を必要とするサービスは旧来の電話だけで使われるわけではありません。様々な音声サービスに使用できるのがAsteriskです。このため電話交換機からインターネット上の音声サービスまで様々に使用されているのがAsteriskです。
日本でAsteriskが広く知られるようになったのは2005年頃からです。

対応するプロトコル

  • IP系
SIP
H.323
UNISTIM
IAX(Inter Asterisk eXchange)
MGCP
Skinny(Cisco)
  • レガシー系
BRI/PRI(ISDNボード必要)
アナログ(アナログボード必要)
ゲートウェイを使用することでSIP-アナログ、SIP-ISDNも、もちろん接続できます

導入事例

導入事例のページにサマリーをまとめてあります。

バージョン

Asterisk 1.8まで

偶数番号(1.0,1.2,1.4,1.6,1.8)がリリースバージョン
奇数番号は開発バージョンで一般には公開されない

Asterisk 10以降

11,13,16,18
LTS(Long Term Support:長期サポートバージョン)
10,12,14,15,17
STD(Standard:標準サポートバージョン)

Asteriskの入手とインストール

Asteriskは http://www.asterisk.org から入手することができます。ソースの配布はftp/httpダウンロードの他、Subversionでも行われています。Subversionでの入手方法はAsterisk Subversionのページを参照してください。

どのバージョンをインストールすれば?

現在(2021年4月)時点で安定していると思われるのはAsterisk 16です。
しかしながらEOLまでの時間があまりないのでAsterisk 18を検討してください。

オプションのパッケージ

Asterisk 1.4.20以降およびAsterisk 1.6からはZaptelにかわりDAHDIが使用されます。
アナログ、BRI/PRIのボードを使用しない場合には不要です。
  • libpri
PRIを使用しなければ必要ありません。
  • OS/ディストリ依存情報
Asteriskインストールメモ
  • よくわからない場合は謎の補助説明ページもどうぞ(このページを見ても疑問が氷解するとは限りませんが)
Asterisk サンプル設定ファイルを使ってみてください。
extension道場も参考になります。

各バージョンの情報

  • 旧バージョンの情報
Asterisk 旧バージョン
  • Asterisk 13
Asterisk 13 (EOLは2019年→2021/10/24に延長[1])
  • Asterisk 14
STDリリースのため使用は推奨しません。
  • Asterisk 15
2017年リリース(Standard)
STDリリースのため使用は推奨しません。
  • Asterisk 16
2018年10月リリース。LTS。(Security Onlyは2022/10、EOLは2023/10)
  • Asterisk 17
STDリリースのため使用は推奨しません。
  • Asterisk 18
2020年10月リリース。LTS。(Security Onlyは2024/10、EOLは2025/10)

DAHDIへの移行

DAHDIインストール

Asterisk+DB

注意:今後の方向性としてMySQLの直接サポートはなくなるようです。ODBCを使用して下さい。

Asterisk+MySQL
Asterisk+PostgreSQL
Asterisk CDR SQLite
Asterisk 11 ODBC

使用する上でのヒント

注意点などの追加情報

セキュリティ

参考になるページ

MR Gさんのページ 利用者:MR G
Asterisk NAT
kei_ef_2000(a.k.a ふかうみ)さんの「Asterisk SugarLookup」解説ページ利用者:kei ef 2000

参考になるかどうかよくわからないページ

バカstarisk
あすりん(仮)

派生ディストリビューション

Asteriskの派生ディストリビューション

アンインストール

アンインストール情報のページへ

Asteriskの動作する環境

IA系のマシンでLinuxをOSとして使用します。多くのLinuxディストリビューションで動作しています。ただしLinux 2.4カーネルを使用する場合には、ZatelがUSB-UHCIを必要とするため注意が必要です。Linux 2.6カーネル以降ならば問題はありません。

OS

Asterisk動作確認済みOS

関連情報

Asterisk Timer
Zaptel udev
Asterisk MacOSXでの動作
Asterisk FreeBSDでの動作

特殊なプラットフォーム

  • 小型アプライアンス類
コンパクトなAsteriskマシンが欲しい方はアプライアンスページを参照
  • OpenWRT
ルータ用代替ファームウェア。Asteriskのインストールも可能。

Asteriskと回線や電話機等の接続

AsteriskはSIPやH.323といったIPベースの接続の他、アナログやISDNなど様々な回線に対応します。

IP

アナログ

ISDN

ひかり電話

回線交換機(アナログ式PBX)

携帯電話

USB経由でHuaweiのUSBドングルを接続するチャネルドライバ。音声/SMS(日本語も)/USSDに対応。開発は活発ではないけど使える模様。

Skype

Digiumのプロダクト。ディスコン。
Skype公式のSIP接続サービス。US$6.95/ch/月

FAX

Digiumのプロダクト
  • spandsp + res_fax_spandsp
Asterisk13以降。なおapp_faxは非推奨
  • IAXModem + Hylafax

Asteriskの管理

  • コマンドライン
Asterisk_CLI
Asterisk管理インタフェース
  • GUI
Asteriskは基本的にはGUIを持ちません。Asterisk NOWはブラウザによる管理インタフェースを持っています。
Asterisk-GUI(純正)
Asterisk GUI
ADM

外部プログラムとの連携

  • コール用ファイル(call file)
  • AGI: Asterisk Gateway Interface
  • AMI: Asterisk Manager Interface
  • ARI: Asterisk REST Interface
  • ダイヤルプランから
Application_Exec, Function_SHELL, Function_FILE
Application_ReadFileは非推奨。


IP電話関連機器はどこで買えますか?

日本国内での入手性も序々に良くなってきました。
購入情報 のページを参照してください。

日本国内対応

Asteriskを日本国内に対応させる情報は下記を参照してください。

ローカライズ

接続および使い方


書籍

日本語

1.0ベースのため1.2系は当Wikiでフォローしています。
VoIPの基本からAsteriskのインストール/稼動までの入門向きです。
Asterisk 1.2/1.4対応になっています。各種設定のリファレンスおよび設定事例など
Asteriskに特化した内容となっています。
AsteriskNOWによるAsteriskの入門書です。
オライリーの翻訳版。Asterisk 1.2対応も若干入っているようです。http://www.oreilly.co.jp/books/4873112893/
1.2ベースの本のようです。1.2のソースCD付。
APIなど開発/運用者向けの詳細な記載あり、上級者向け。

洋書

こちらも1.0ベースの本。
Asterisk : The Future of Telephony (Asterisk Documentation Project)
The Future of TelephonyはCreative Commons licenseの元、オンライン(PDF文書)で公開されています。
2ndエディションで1.4対応だそうです。
発売日:2008/12/30何度か発売が伸びています。日本語版は出るのかは不明です。Asterisk Cookbook Wikiなどあるようです。
Asterisk 11に対応。pjprojectの記述はまだありません。

問い合わせ先など

イベント情報のページで告知しています。

外部リンク

Asteriskの日本国内情報は外部リンクページを参照してください。

Digium http://www.digium.com
Asterisk http://www.asterisk.org