黒電話 ハック

提供: VoIP-Info.jp
2018年11月1日 (木) 13:44時点におけるTakahashi (トーク | 投稿記録)による版 (ネットにつなぐには?)
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最近どーも、黒電話をハックして再発見&再発明しようとしている人が多いようなのでページを作っておきます。

まず読むべきもの

  • 電話はなぜつながるのか 知っておきたいNTT電話、IP電話、携帯電話の基礎知識
https://www.amazon.co.jp/dp/4822282864/
  • NTT技術参考資料(通称:ぎさんし)
https://www.ntt-east.co.jp/gisanshi/

基本的な話

アナログ電話機は2線式で全二重の音声通信をやっています。なので自分の音声も相手の音声も同一の線に乗ります。

だから受話器からは自分の声も聞こえます

基本的な電圧(直流バイアス)は48V(正確には-48V)

"電話"仕様のDCは48Vが基本です
PoEで48Vが使われるのはこの仕様が理由で、もともとツイストペア線ネットワークは電話線流用から始まっているため
鳴動(ベルを鳴らす)の際には直流バイアスに加えて48V(42~53V)の交流(AC:15~20Hz)を重畳します(技参資:3.5.2参照)。
"呼び"のインピーダンスは600Ωです。ただし端末(電話機)のインピーダンスは線路(電線)を加えたももになるので、これより低いのが普通です。

"シグナリング"は受話器を上げた、下した、ダイヤルしたなどの操作によって相手と繋いだり切ったりすることを言います。
"ダイヤル"には2種類の方法があり回転(ロータリー)式の電話機はDP(ダイヤルパルス)、押しボタン(プッシュ)式の電話機はDT(ダイヤルトーン)です。

DPは10PPSと20PPSの2種類があります。PPSは秒間のパルスの数のこと
DPは受話器の上げ下ろし(オフ/オンフック)と等価なので器用な人はフックボタンでダイヤルできます
DTは2種類のトーンを同時に出して制御する方式です

電話機に繋ぐポートをFXS、電話回線に繋ぐポートをFXOといいます。

ネットにつなぐには?

アナログ電話機をIP化する装置をATA(Analog Telephone Adapter)といいます。ATAはとても安い値段で売ってます。

ただし、日本製ではないものが多いためDPに対応するATAは多くありません。
DPに対応している代表的なものはNTT東西のひかり電話アダプタというかルータ(PRとかRT)か、ヤマハのアナログポートを持つものです。
Grandstream の HT-802がDPサポートしているって話もあるので人柱募集。
HT-801/4号A自動式電話機の組み合わせで発信および着信を確認しました。おそらく600-A1電話機でもイケるでしょう。ただし20pps(600/601-A2)による発信はダメみたいで、ダイヤルしてもせいぜい1桁までしか反応してくれない。
電話回線(NTT側)をIP化する装置はゲートウェイと呼びます。ATAによってはこの機能をあわせもつものもあります。
ただし停電時バックアップ用にのみFXOを持つものはゲートウェイにはなりません。

ATAを使うとIP化できるので一般的にはSIPで制御できるようになります。SIPになればAsteriskとかで制御簡単。

IP化したけど、どうやって制御すんねーん!という人はAsteriskについて調べてください。ってか、ここ。
USBのFXSもありますがあまりメジャーではないです。USB FXSを使う場合は制御がDAHDI(旧Zaptel)のものが多いのでAsteriskが要ります
目覚まし(モーニングコール)とか簡単にできるんだけどなぁ・・・

マイコンにつなぐには?

マイコンとかRaspberry Piにつなぐにはアナログの呼制御(シグナリング)をしてやらないとなのでちゃんとやろうとすると回路を作らないとだめです。
Raspberry Pi用にはFXS/FXOモジュールが乗るPi TDMというのが出ていたりします。

https://switchpi.com/shop-now/