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==SCCPとは==
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Skinny Client Control Protocol(以下SCCPと略)は、Selsius社が開発した端末制御プロトコルである。
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==概要==
 
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SCCP(Skinny Client Control Protocol;SCCP)は、Selsius社が開発した端末制御プロトコルである。
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===経緯===
 
 
 
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現在は、Selsius社を買収したシスコシステムズがプロトコルの定義および管理を行っており、
SkinnyクライアントとCisco CallManager間でメッセージをやりとりするために使用されている。
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SkinnyクライアントとCisco CallManager間でメッセージをやりとりするために使用されている。<BR>
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シスコシステムズがSCCPの技術を入手したのは、Selsius社を買収した1998年である。
  
skinnyクライアントとしては、Cisco 7900シリーズのCisco 7940、Cisco 7960、802.11b無線規格に対応したCisco 7920のほかに、Cisco Unity ボイスメールサーバーなどがある。
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シスコ製IP電話機がCallManagerにレジストする際のデフォルトデバイスフォーマット名が<BR>[[Cisco/SEP.cnf.xml|"SEP<MACアドレス>.cnf.xml"]]になっているところに、<BR>
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Selsius社のIP電話機の名残りが残っている。(SEP・・・Selsius Ethernet Phoneの略)
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===特徴===
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SCCPは、Cisco CallManagerがSkinnyと効率的にメッセージをやりとりできるようにしたstimulus-based(クライアントからの要求に応じてサーバーから指示が与えられる)軽量なプロトコルであり、CPUやメモリーの制約が厳しいIP電話機や、ハードウェアエンドポイント、組込み型システムのための通信プロトコルとして設計されている。
  
SkinnyはCisco CallManagerがSkinnyと効率的にメッセージをやりとりできるようにした軽量のプロトコルである。<BR>
 
 
Cisco CallManagerは、H.323やSIP、ISDNのほかMGCPなどの呼制御情報をやりとりする際のシグナリングプロキシサーバーとしての役割を持っており、<BR>
 
Cisco CallManagerは、H.323やSIP、ISDNのほかMGCPなどの呼制御情報をやりとりする際のシグナリングプロキシサーバーとしての役割を持っており、<BR>
Skinnyは、Cisco CallManagerとSkinnyクライアントが効率的にメッセージをやりとりできるようにした、軽量のプロトコルになっている。
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Cisco CallManagerとSkinnyクライアントが効率的にメッセージをやりとりできるようにした、軽量のプロトコルになっている。
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SkinnyクライアントとSIP、H.323端末間ではRTPが使われている。
  
 
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SkinnyクライアントはTCP/IP(Port2000番が多い)を使用している。<BR>
 
一台の(あるいはクラスタ化された複数台の)CallManagerと通信を行う。
 
一台の(あるいはクラスタ化された複数台の)CallManagerと通信を行う。
SkinnyクライアントとSIP、H.323端末間ではRTPが使われている。
 
  
SCCPはstimulus-based(クライアントからの要求に応じてサーバーから指示が与えられる)プロトコルであり、CPUやメモリーの制約が厳しいIP電話機や、ハードウェアエンドポイント、組込み型システムのための通信プロトコルとして設計されている。
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===クライアント===
 
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skinnyクライアントとしては、Cisco 7900シリーズのCisco 7900系電話機、802.11b無線規格に対応したCisco 7920のほかに、Cisco Unity ボイスメールサーバーなどがある。
シスコシステムズがSCCPの技術を入手したのは、Selsius社を買収した1998年である。
 
IP電話機がCallManagerにレジストする際のデフォルトデバイスフォーマット名が[[Cisco/SEP.cnf.xml|"SEP<MACアドレス>.cnf.xml"]]になっているところに、
 
Selsius社のIP電話機の名残りが残っている
 
(SEP・・・Selsius Ethernet Phoneの略)
 
  
 
シンボルテクノロジー(現モトローラ)とSocketIPがVoIP端末(IP電話機)とメディ
 
シンボルテクノロジー(現モトローラ)とSocketIPがVoIP端末(IP電話機)とメディ
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[[Cisco/sccp.conf|sccp.conf]]のページを参照のこと。
 
[[Cisco/sccp.conf|sccp.conf]]のページを参照のこと。
 
==SCCPに関する資料(外部リンク)==
 
==SCCPに関する資料(外部リンク)==
[http://www.voip-info.org/wiki/view/chan_sccp2 voip-info.org] Asterisk+Ciscoの情報<BR>
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;[http://www.voip-info.org/wiki/view/chan_sccp2 voip-info.org]:Asterisk+Ciscoの情報<BR>
[http://en.wikipedia.org/wiki/Skinny_Client_Control_Protocol Skinny Client Control Protocol] SCCP(Skinny)プロトコルの解説<BR>
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;[http://en.wikipedia.org/wiki/Skinny_Client_Control_Protocol Skinny Client Control Protocol] :SCCP(Skinny)プロトコルの解説<BR>
[http://www.chan-sccp.org CHAN SCCP official site]chan_sccp非公式サイト
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;[http://www.chan-sccp.org CHAN SCCP official site]:Asterisk用SCCPチャネルドライバ"chan_sccp~のサイト
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;[http://newsroom.cisco.com/dlls/fspnisapi6d14.html Cisco Systems to Acquire Selsius Systems, Inc. for $145 Million]:Selsius社買収のお知らせ(シスコシステムズ公式ページ)

2009年1月11日 (日) 08:53時点における版

Skinny Client Control Protocol(以下SCCPと略)は、Selsius社が開発した端末制御プロトコルである。

概要

経緯

現在は、Selsius社を買収したシスコシステムズがプロトコルの定義および管理を行っており、 SkinnyクライアントとCisco CallManager間でメッセージをやりとりするために使用されている。
シスコシステムズがSCCPの技術を入手したのは、Selsius社を買収した1998年である。

シスコ製IP電話機がCallManagerにレジストする際のデフォルトデバイスフォーマット名が
"SEP<MACアドレス>.cnf.xml"になっているところに、
Selsius社のIP電話機の名残りが残っている。(SEP・・・Selsius Ethernet Phoneの略)

特徴

SCCPは、Cisco CallManagerがSkinnyと効率的にメッセージをやりとりできるようにしたstimulus-based(クライアントからの要求に応じてサーバーから指示が与えられる)軽量なプロトコルであり、CPUやメモリーの制約が厳しいIP電話機や、ハードウェアエンドポイント、組込み型システムのための通信プロトコルとして設計されている。

Cisco CallManagerは、H.323やSIP、ISDNのほかMGCPなどの呼制御情報をやりとりする際のシグナリングプロキシサーバーとしての役割を持っており、
Cisco CallManagerとSkinnyクライアントが効率的にメッセージをやりとりできるようにした、軽量のプロトコルになっている。 SkinnyクライアントとSIP、H.323端末間ではRTPが使われている。

SkinnyクライアントはTCP/IP(Port2000番が多い)を使用している。
一台の(あるいはクラスタ化された複数台の)CallManagerと通信を行う。

クライアント

skinnyクライアントとしては、Cisco 7900シリーズのCisco 7900系電話機、802.11b無線規格に対応したCisco 7920のほかに、Cisco Unity ボイスメールサーバーなどがある。

シンボルテクノロジー(現モトローラ)とSocketIPがVoIP端末(IP電話機)とメディ アゲートウェイコントローラー(ソフトスイッチ)にSCCPを実装しており、
オープンソースでの実装としてはAsteriskがSCCP/Skinnyを実装している。 (chan_skinny/chan_sccpのこと。後述)

IPBlueの開発したソフトフォンVTGO for PCはSCCPをシグナリング プロトコルとして使用しており、Cisco CallManagerサーバーからはCisco 7900シリーズの電話機として認識される。(7905~7971Gまで、ソフトフォン側で設定できる)

シスコはさらにSkinny対応ソフトフォンの新バージョンとして、Cisco Unified Personal CommunicatorというSIP標準のソフトフォンを発表している。
以前、CiscoはCisco IP Softphoneというソフトフォン(JTAPI/CTIバージョン)を出していた。

なお、日本国内限定となるが、鳥取三洋電機のIPP-3200も、SCCPをシグナリング プロトコルとして使用している。

AsteriskとSCCP

Cisco SCCP対応ドライバとして、chan_skinnyが用意されているほか、サードパーティドライバとしてchan_sccpが公開されている。
O'REILLY刊のAsterisk本(ヒトデ本)にも
「Cisco電話機を使うなら、skinnyよりSIPを利用することをお勧めする」と書いてある。 CiscoのIP PhoneをAsteriskに繋げるなら、SIP対応のファームウェアを使った方が良い。

サードパーティSCCPドライバ

複数のドライバが開発されている。
Chan-SCCP channel driver for Asterisk(SourceForge)
Asterisk Chan_Sccp Project
Theo Zourzouvillys (aka Zozo)
Asterisk SCCP channel driver(SourceForge) (長い間更新されていない)

Chan_sccpドライバのインストール

大抵は

make
make install

でインストールできる(と書いてある)
インストール方法のページを参照のこと。

設定を変更する

sccp.confのページを参照のこと。

SCCPに関する資料(外部リンク)

voip-info.org
Asterisk+Ciscoの情報
Skinny Client Control Protocol 
SCCP(Skinny)プロトコルの解説
CHAN SCCP official site
Asterisk用SCCPチャネルドライバ"chan_sccp~のサイト
Cisco Systems to Acquire Selsius Systems, Inc. for $145 Million
Selsius社買収のお知らせ(シスコシステムズ公式ページ)